【インタビュー】衣裳制作担当・Coppelia Circusさんに聞く

1.自己紹介をお願い致します。
今回衣装を担当させて頂きますCoppelia Circus(コッペリア・サーカス)と申します。
衣装製作は独学ですが、バーレスクダンサーとしての活動で得たご縁のおかげで今はオーダー衣装のご依頼も沢山頂き、劇場からナイトクラブ・ライブハウスで踊りながら、製作もしております。

2.普段ご自身で作る衣裳はどんなものが多いでしょうか。
自分のショー用の衣装を中心に、エアリアル・ダンサー・ショーパブ・大道芸・ストリップ・シンガー等など、きらびやかなステージ衣装が多いです。

3.ご自身で衣裳を作るに当たって、心がけていること
妥協しないこと、自分のこだわりを信じることです。

4.舞台衣装制作ならではの苦労などあればお聞かせ下さい。
照明の強さや種類、客席の距離により見え方がかなり変わることです。ラインストーンの大きさ、色の選び方などに大きく影響してきます。
細かなビーズ刺繍が一番好きな作業なのですが、意味をなさない事もありますね。笑


5.コッペリアさんが衣裳作りに魅入られた点は?
元々プレイヤーよりもクリエイター気質なので、自分の作りたい世界をダイレクトに表現出来るのが魅力的な点です。
そして、今や手軽に衣装を買える時代だからこそ、自分だけのオリジナル衣装があることはパフォーマーとして大きな意味を持ち、セルフプロデュースの為の要素でもあります。

…と言いつつ、単純にビーズやスパンコール、ビジュー、羽根、夢のある素材と、ファッションが好きなだけかもしれません。

6.今までのお仕事の中で印象的なエピソードがあればお聞かせ下さい。
バーレスクやレビューでは、ハイレグ・Tバック、時にGストリングスがスタンダードですが、あるポールダンスの大会では「パンツの前ラインは股関節位置・臀部を隠す・股部分の布幅は広く」など細かい規定があり印象的でした。
“スタイルを綺麗に見せたい気持ちと隠さなければならない葛藤“が、記憶に残っています。

7.ご自身の衣裳へのこだわりをお聞かせ下さい。
配色と質感です。
ラグジュアリーであったりキッチュであったりとテーマはそれぞれですが、求める方向性によって同じ色でも使う素材は変わってきます。
所謂ダンス衣装でも今はインターネットで手軽に揃えることが出来ますが、大量生産されるものはチープなものも多く、それは一目瞭然です。
ステージとは「如何に非現実なものを魅せるか」という私の美学において、ひと手間加えることは大きなこだわりです。

8.ウキヨホテルプロジェクトがお願いした衣裳について、普段担当される衣裳の違いは?
ダンスやパフォーマンスではなくお芝居の衣装というところです。
しかし、今回の作品で舞台となっている1920~1930年代の禁酒法時代はショーの題材にもなりやすく、更に1950年頃のニュールックのファッションは元々好きで衣装に取り入れたりととても身近に感じていた題材でしたので、とても楽しく取り組むことが出来ました。


9.今回の衣裳制作で、特に苦心した点はございますか?
華美の程度です。
キャバレーショーではなくお芝居。しかしストレートプレイではなくミュージカルで、会場はクリフサイド。
そして何より作家・河田さん、演出・菊地さんと初めてご一緒させて頂くので、求められていることを探るのが何より難しかったです。
普段は一粒でも多くラインストーンを付けることに時間を割いていますが、今回は短編集ということで全体のバランスを考えつつ、クライマックスに向けて花開いていく様なデザインを考えてみました。ラストの衣装の絶妙な派手さと布地選びは、本当に頭を悩ませたポイントです。

ちなみに、ラインストーンの量は普段の2割くらいです。笑

10.最後に一言いただけますか?
素晴らしいキャストの皆様と、脚本・演出、最高の音楽で出来上がっている「YOKOHAMA Short Stories」。
衣装も一緒に楽しんで頂けると嬉しいです!

Coppelia Circusさん